写真セラピーとは

酒井貴子が提唱する、他者に対して実施するセラピーとしての写真の利用法をさします。芸術療法やカウンセリング心理学の考え方に基づき、自由な自己表現としての写真活動を楽しみながら、QOL(生活の質)の向上につなげます。以下、拙書「生きる力を取りもどす写真セラピー」(メディアファクトリー刊)から一部を引用。

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「人は誰でも大なり小なり、満たされない思いや、自分の生き方に対して不安を抱えています。しかし、写真を撮ることが楽しくなると、心の中にある寂しさや虚しさが薄れてゆきます。

 

それは、自分の好きな被写体を探す「わくわく感」、一生懸命写真を撮るときの「集中力」、自分の好きな被写体を写真として手に入れたという「満足感」、いい作品ができたという「達成感」、更にいい写真を撮りたいという「意欲」などが、人の心を元気にするからです。

 

また、作品を作りながら育む「絆やコミュニケーション」、人に褒められたときの「喜び」、写真を通して自分の思いを語り、共感的に受け止められたときに起こる「癒し」、今まで気づかなかった自分を発見し、自分らしさを取り戻す「自己回復」。これらすべてが、写真セラピーの“力”です。

 

そして「写真セラピー」の一番大きな要素は、写真に投影される「心の声」です。

 

写真に限ったことではなく、あらゆる芸術は制作することも観賞することも、心の投影です。制作する者は自分の心の世界を投影して作品を制作します。観賞者は作品に自分の心を投影しながら観賞します。

 

写真の場合も同様で、自由な心の表現として写真を撮影する場合、そこに無意識の情動、心の世界が投影されます。そこには「心の声」「心の叫び」が写し込まれています。そしてその表出を静かに見守ることにより、自己洞察、自己発見、そして自己回復のプロセスが促されるのです。

 

写真を撮影することに加え、写真を見ることも投影的です。出来上がった写真は、見る人によって全く違った文脈を持って見えてきます。同じ写真を見ても、人によってその写真に対する感じ方、意味付けが異なります。それは、見る人が自分の心の世界を投影しながら、作品を見ているからです」

 

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なお、写真セラピーの詳細についてご興味ある方は、書籍【「生きる力を取りもどす写真セラピー」をご参照ください。

 

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