草花とともに生きる喜び

新年明けましておめでとうございます。

 

年末年始は久しぶりに家族・親戚そろってのんびり過ごしています。2007年以降、たくさんのお別れが続きましたので、皆が集って「あけましておめでとうございます」と言えることの幸せをあらためて噛みしめました。

 

最近、感じていることがあります。それは、写真を楽しむことで得られるセラピー効果があるように、植物を育てること、その成長を楽しむことにも、人の心を癒したり元気にする力があるなあ、ということです。調べてみると、確かに「園芸療法」や「生け花療法」というものもあります。

 

拙著「生きる力を取りもどす写真セラピー」でお伝えしているとおり、2000年に肺がんの初期症状と言えるものが二つも見つかり、どん底状態の中で写真を楽しむことによって元気になったという自身の体験が、今の写真セラピー活動の原点です。

 

そして2004年にNPO法人クローバーリーフを、2007年に日本写真療法家協会を立ち上げ、写真療法の確立と普及に尽力してきました。しかし2007年から今に至るまでの道のりは、決して平たんではなく、逆境続きだったと言っても過言ではありません。

 

そんな私が、最近、心掛けていることがあります。

 

それは悲しみにしっかり対処すること。静かに自分を見つめる時間を持つこと。生活をスローダウンし、行事を減らし、毎日を丁寧に過ごすこと。体によい生活習慣を心がけること。笑うこと、楽しいことをすること、そして自分にとって心地よいことをやってゆくこと。

 

そしてそれを続けているうちに、ガーデニングを楽しむことが生活の大きな部分を占めることになりました。かわいらしい小さな小鉢に草花を寄せ植えにし、ヤマゴケをのせて飾るミニ盆栽にもはまっています。

 

すると、いつのまにかベランダには大小100を超える鉢が並び、見事なまでの緑の園、生き物が集まるビオトープになりました。

 

睡蓮鉢ではメダカがどんどん孵化するため、保護しているうちに鉢が3つになってしまいました。もともとスイレンの花を育てることを目的としていたのに、これでは本末転倒です。

 

春が訪れると、どこからか様々な種類チョウやバッタが草花の上で生を輝かせます。また、スズメにメジロ、シジュウカラやドバトも餌を求めて毎朝やってくる常連たち、夏はトンボやカエルもやってきます。都会のコンクリートジャングルのなかで、これほど多くの生命(いのち)が集まることには驚かされるばかりです。

 

また、草花を育てることは、生命(いのち)を育むこと。厳しい冬を乗り越え、少しずつ成長し、花を咲かせ、実をつける姿を見ることは、2007年以降、たび重なる生命(いのちの)終わりを見てきた私にとって大きな癒しになっています。どの生命(いのち)もいとおしくてたまりません。

 

そして秋が来ると、植物は葉を赤や黄色に色づかせ、やがて落葉させてゆきます。しかし、葉が落ちてしまったとしても、それは決して無駄な死ではありません。なぜなら落葉は葉にある栄養を幹に戻すという大切なプロセスであり、秋にしっかり落葉できないと、翌年の力強い芽吹きや花を咲かせることができないからです。

 

今まで、写真を楽しみながら、カメラの向こう側にある自然から様々なことを教わってきました。今の私には、重いカメラと三脚をかついで全国各地で写真を撮り歩く気力と体力はありませんが、森や林に行かずとも、目の前にあるベランダの自然からとても大きなことを教えてもらっています。

 

それは、生命(いのち)のたくましさであり、また、自然の中では無駄なものは一つもないということです。

  

春に向けて木々の芽が膨らむように、私の中でも今、何か終わり、何かが始まろうとしています。新たな自分が生まれつつあります。それは何かがまだはっきり見えていません。でも季節は着実に春に向かって動き始めているように思えます。